暗黙知
Implicit Knowledge / Tacit Knowledge
DX用語解説
特定の担当者の経験や感覚に基づく、言葉にされていない業務上のノウハウや判断基準。マニュアル化されていないため、退職や異動で失われるリスクがある。
さらに詳しく解説
暗黙知とは、特定の人が長年の経験や勘を通じて身につけた、言葉やマニュアルでは表現しにくい知識・ノウハウのことです。たとえば、熟練の営業担当者が「この顧客はそろそろ契約更新を検討している」と感じ取る察知力や、ベテラン職人が「この音がしたら機械の調子が悪い」と判断する経験則などがこれにあたります。こうした知識は本人の頭の中や体感に宿っており、意識的に整理されていないため、第三者には伝わりにくい特性があります。
暗黙知が組織にとって問題となるのは、その知識を持つ担当者が退職・異動した際に、業務の質が突然低下したり、トラブル対応が遅れたりするリスクがある点です。「あの人がいなければ回らない」という状態は、まさに暗黙知が組織に属さず個人に依存している典型例です。
DX推進においては、この暗黙知を「形式知」として文書化・データ化し、組織全体で共有・活用できる状態にすることが重要な課題となっています。AIや業務システムを活用して過去の判断履歴や対応パターンを蓄積することで、暗黙知の見える化が進められています。ただし、すべての暗黙知をデジタル化できるわけではないため、ベテラン社員からの丁寧なヒアリングや業務観察も合わせて行うことが注意点として挙げられます。