インシデント対応
Incident Response
IT基礎解説
サイバー攻撃や情報漏洩などのセキュリティ事故(インシデント)が発生したときの初動手順のこと。発見から通知・封じ込め・復旧までの流れと責任者を事前に決めておくことで、被害の拡大を防げる。
さらに詳しく解説
インシデント対応とは、情報漏えいや不正アクセス、マルウェア感染といったセキュリティ事故(インシデント)が発生した際に、被害を最小限に抑えるために実施する一連の対応手順のことです。具体的には、「検知・初動対応」「被害範囲の特定」「封じ込め」「証拠保全」「原因究明」「復旧」「再発防止策の策定」というステップで進めます。
たとえば、従業員のパソコンがランサムウェアに感染した場合、まず感染端末をネットワークから切り離して被害の拡大を防ぎ(封じ込め)、どのデータが影響を受けたかを調査し、顧客や取引先など関係者へ速やかに報告します。その後、感染経路を特定して同じ事故が起きないよう対策を講じます。
事前にインシデント対応計画(IRP)を策定しておくことで、いざというときに混乱なく動くことができ、被害の拡大防止や信頼回復の速度が大きく向上します。また、法令や業界規定によっては、一定時間内の当局への報告義務がある場合もあるため、対応手順の中に報告フローを組み込むことが重要です。
注意点として、事後対応だけでなく、定期的な訓練や手順の見直しを行わないと、実際の現場で手順通りに動けないケースが多く見られます。インシデント対応は「備え」があってこそ機能する仕組みです。
中小企業での活用ポイント
使いどころ
インシデント対応は、業務の判断基準や顧客対応、社内ナレッジを整理するときに確認しておきたい用語です。導入前に意味を揃えることで、ツール選定や社内説明のズレを減らせます。
注意点
言葉だけを先に決めるのではなく、どの業務で使うか、誰が確認するか、成果をどう測るかまで一緒に整理することが重要です。
関連用語
この用語が登場した記事 3件
セキュリティ対策を「ツールを入れれば終わり」と思ったまま進めると、侵入口は別の場所に静かに開く
セキュリティツールを導入しても、運用ルールと責任の境界が曖昧なままでは対策になりません。ログ監視・権限管理・標的型メール対策のどこから始めるべきか、AIに任せてよい範囲と人間が判断すべき範囲を分けて解説します。
AI脆弱性診断を「年1回の外部委託で十分」と判断し続ける間、侵入口は3工程先で静かに開く
AI脆弱性診断を外部委託だけで終わらせている体制には、診断後の修正責任の曖昧さという構造的な盲点があります。どの工程をAIに任せ、どこを人間が判断するか。現場で起きる確認漏れ・対応遅延・インシデント初動の責任空白を整理し、最初の1工程から定着させる実務判断基準を示します。
ログ監視と権限棚卸しを「後で整備する」と言い続けると、気づいたときには選べる対応が消えている
ログ監視・権限棚卸し・インシデント初動を人手だけで回す体制には、静かに損失が積み上がっています。この記事では、セキュリティ運用のどこにAIを入れるべきか、どこは人間が判断責任を持つべきかを、業務の詰まりを分解しながら実務観点で整理します。