引き継ぎコスト
Handover Cost / Knowledge Transfer Cost
DX用語解説
担当者が交代する際に、業務知識や決定事項の記録を次の担当者へ移すためにかかる時間・労力のこと。記録が不十分だと大きなロスが生じる。
さらに詳しく解説
引き継ぎコストとは、担当者が交代する際に、業務知識・進行中の案件・過去の意思決定の経緯などを次の担当者へ伝えるために必要な時間・労力・費用のことです。人が変わるたびに「なぜこのルールになったのか」「あの取引先とはどういう経緯で契約したのか」といった暗黙知を一から共有し直す必要があり、この作業が業務の停滞や品質低下を招く原因になります。
たとえば、長年担当していた営業スタッフが退職した際、顧客とのやり取りや商談の背景がメモや記録として残っておらず、後任者が一から関係を構築し直すケースはよく見られます。この期間中は売上の機会損失や顧客の信頼低下が起こりやすく、現場への負担も大きくなります。
引き継ぎコストを下げるためには、日常的に業務の記録をシステムや共有ドキュメントに残す習慣が重要です。CRMツールや社内Wikiを活用して「誰でも経緯を確認できる状態」を作ることが、DX推進の基本的な取り組みのひとつでもあります。
注意点として、記録の仕組みを作っても実際に入力・更新されなければ意味がありません。記録を「業務の一部」として定着させるルール設計と、経営層によるサポートが欠かせません。引き継ぎコストの削減は、特定の個人に依存しない強い組織体制づくりにもつながります。